あまちゃん最終回 NHK「あまちゃんを語ろう」イベント 塩見三省さん・訓覇チーフプロデューサー対談書き起こし

あまちゃん、ついに本日9月28日で最終回でした。その記念すべき日に日本青年館で開催された「あまちゃんを語ろう」イベントに参加してきました。

3000円の会費制なのに応募者多数で、青山のNHK教室から急遽 日本青年館に会場変更。300名いたそうです。
訓覇チーフプロデューサーも助太刀して、滅多に人前に出ない塩見三省さんがトークショー。テレビだったら放送事故級にゆっくり喋る塩見さんでした。

勉さんと違って紺とグレーのおしゃれなセーターにチノパン姿の塩見さんでしたが、ちゃんと勉さんのヒゲを保ったままで登場してくださいました。

塩見さん「撮影は一ヶ月半前に終わりましたが、今日のイベントがあるというのがずっと心のなかにあったので、まだ終わってないという緊張感が続いていました」

今日は 最終回にして琥珀一筋だった勉さんの口から「琥珀なんかより」発言が出たことに「今回のはホンもらった時ついていけなかった」そうです。
訓覇さんも最後の方で「宮藤さんの真骨頂。ふつう最終回15分しかなくて皆アキちゃんとユイちゃんが見たいのに勉さんに5分取らない」

塩見さん「最初に宮藤さんやプロデューサーから聞いたのは、勉さんは時間が止まってるイメージ。でも今日の回で、勉さんの止まっていた時計が動き出したのかも」

訓覇さん「キャスティング難しかったです。この話はアキ、春子、夏さんだけが動く。他の人たちにはストーリーがない」そんな人たちをどうやってキャスティングすればいいのか。
訓覇さん「普通ドラマの台本では、会話が始まる前にその場面に誰がいるのかト書きに書かれている。ところが宮藤さんの台本ではト書きなしでいきなり会話が始まる。宮藤さんに確認したら、喋っていない人もずっとその場面にいるんですと言われた。それが勉さんでした」

塩見さん「(リアスの)角なのでライトの当たりも悪くて。特にえりさん入ると隠れてしまう(一同爆笑)。他の人は気を使ってくれたんですけどね」

塩見さん「台詞なさすぎて大丈夫かな」と心配に。
訓覇さん「塩さんとは付き合い長いので、真面目なのは分ってた。それが心配でした。楽しくやって下さい、と伝えました」
また、訓覇さんは(天野家三代以外のほとんどのキャラは)「なんの背景も描かれていない役だった」とも。

塩見さん「珍しい役。(アンサンブル劇なので)一人ひとりが役割を果たす。出過ぎず、引っ込みすぎず。パフォーマンス(自分の演技力)を見せつけようとする役ではない」だから「人前に出るのはイヤだったが、あまちゃんについてなら話せると思った」

イベントは、勉さん名場面を振り返りながら、一つ映像を流しては止めて、二人がコメントする形式でした。
司会なしで超まったり進行。

勉さん名場面その1「初めてのゴーストバスターズ

リアスで大吉が春子に告白「二人きりなんだし、いいじゃないか!」勉さんもいたのに存在スルー。無言のまま「お、おれいるのに!」という表情でびっくりしている勉さん

勉さんが驚く顔は演技でなくて素。撮られていると知らなかったそうです。
この回は井上剛さんが監督。「勉さんカメラ」を設置して、気付かれぬうちにリアクション撮影。塩見さんは驚く自分が撮られていたのを放送を見て初めて知ったそうです。この後は台詞がないシーンでもリアクションを撮られている事を認識してやっていくようになったそうです。
他のインタビューで井上Dが言っていましたが、沢山の人の角度から撮りたいので、カメラを何台も設置する異例の撮り方。時間がなくなってしまうので、テストなしでいきなりカメラ回します。

ここでは勉さんを無視して暴走する杉本哲太さんのアドリブ無双によって、塩見さん自身掴みきれていなかった勉さんが分かった。
塩見さんによれば、ゴーストバスターズを春子に1フレーズだけ歌わせ、勉さんにもマイク向けたものの、歌おうとした瞬間マイクを引いて、結局自分が歌う大吉。ここが哲太さんのアドリブ
訓覇さん「井上Dはおしりを長く撮りっぱなしにする。ほとんどは使われないが、セリフがなくなってからのシーンをどう演じるかで、役者の本性が分かる」
塩見さん「この放送を見て他の監督たちも、北三陸の皆がどのくらい勉さんを無視してるか分かった」

勉さん名場面その2「アキとの初めて二人のシーン」

琥珀洞窟は一人になれる場所。叫んでも誰にも声は聞こえないと勉さんに教えられると、アキちゃん「東京に帰りたくねえ!ずっとここにいてえ!夏ばっぱやみんなと海潜っていてえ!」

塩見さん「(年上として引っ張るのではなく)能年さんの視点に合わせようと思いました。老人の皮を被った中学生でした」
塩見さん「能年さんと演じるのは宇宙遊泳みたいですてきでした」

訓覇さん「能年さんと最初に演じる時って、強烈でしょう。(先ほどの洞窟の映像の)塩さん、ちょっと舞い上がってるよね」
塩見さん「自分が若い時を思い出すと、年取った人と話すのは面倒だったから、いま自分が年を取った時、相手してくれる若い人が可愛いんです」

洞窟の撮影の時は、塩見さんが本物の琥珀を能年ちゃんに持たせてあげたそうですが、能年ちゃんはそれぞずっと握りしめたまま演技。握りしめすぎて、粉々になって地面に落ちてしまう。アキが採掘を手伝うシーンで「これ琥珀かな?」と差し出したものの、塩見さんもその頃はまだ琥珀に全然詳しくないので分からない。掘り当てた!と二人でキャーキャー喜んでいたそうです。でも琥珀の専門家さんに聞いたら「そんなわけねえ」と言われてしまったそうな。

このシーンでは、なぜか勉さんがアキちゃんに「アキ、掘ってみな」と呼び捨て。台本では「アキちゃん」になっていたのに。
訓覇さん「二人の初めてのシーンで、これでいいのかな?と。キャラクターの距離感が大事なので。でも塩見さんがそう呼びたいんなら、もうしょうがないなと思いました」

塩見さんも撮影初期の段階で洞窟にいけて良かったと語っていました。
塩見さん「入口がすごく狭いんです。入り口から20〜30mの所にアクティング・スペースがあって。でもコウモリがビュンビュン飛んでるし。湿度は100%だし。狭いから撮影機材の搬入も大変で。でもそこで40年も掘ってきた人なので『俺はここで生きてきたんだな』と思いました」

訓覇さん「東北の人はシャイで本音をなかなか言えない。洞窟なら一人になれる、本音が話せるのはどう?とロケハンの時 宮藤さんに言ったが興味なさそうだった」でも結局このシーンの台本に採用されました。

他にも、琥珀洞窟をこのまま掘り進めたらどこに着くかな?小袖海岸かな?という話をふったが、宮藤官九郎の反応は薄い。でもその後大分経ってから、水口とユイの会話で「この洞窟をずっと掘って行ったら東京につながっているかも」というセリフに生かされていました。

訓覇さん「塩さんが撮影始まってすぐの頃に、東京のデパートで琥珀展を見に行ったら『俺だけだったよ!』と言っていましたね」
塩見さん「東京の高島屋だったかな?大東北展といって、すごい人出だったのに、琥珀のところだけ誰も人がいないんですよ。出店してる人に今度ドラマで琥珀を掘る役やるんですと言っても「はあ?」という反応でした」

訓覇さん「せっかくなので、能年さんについて、塩見さんに聞きたい人いますか?」

男性1「能年さんはすごい人見知りだと聞いています。先ほども能年さんは演じている時と素の時がぜんぜん違うという話も出てきましたが*1、若い時の大竹しのぶのを彷彿とさせるのではありませんか?」

塩見さん「僕は年をとっているので、能年さんにも橋本さんにも殆ど話しかけないんです。でも誰だって初めての人には人見知りするでしょう。能年さんは、演技というか『い方(在り方)』がすごくいいんです。その場にいる『い方』が。なので演技と素の違いも分かりませんでした」

訓覇さん「能年さんは誰もでもない感じです。大竹タイプ・・・ぐっと引きつけるものはあるけど、あんな魔性ではないです」
訓覇さん「大事な子だから、何か伝えようと(教えようと)してきたけど、半年くらいでやめました。猫背も直そうとしたけれど。主役なのにあんな猫背ありえない。配役の時も本当にあの猫背どうしようかと思った。注意すると「ハイ!」と言ってすぐ直すけど、5秒くらいしか直せない。演技に集中しだすとすぐ猫背に戻る。『もういいや』と思いました。宮藤官九郎さんに相談しても『いいんじゃないですかー』と言われてしまって。でもテレビドラマの常識では、主役があんな猫背はダメなんです」
塩見さん「でも、かっけーよね、あれは」

勉さん名場面その3「水口の裏切りが発覚」

考古学を学んでいると称し、琥珀について一晩熱く語って勉さんに弟子入りした水口。でもそれは全部嘘でした。ついに真相を知った勉さんは、琥珀洞窟で水口を殴りますが、よろけてしまう。
その後リアスで春子、大吉、吉田君、菅原さん、ストーブさんに謝る勉さん。今までほとんどセリフがなかったのに、堰を切ったように話し出します。「自分が至らないせいで迷惑かけた。琥珀が好きだと言っていたのに、水口は本当はユイちゃんとアキちゃんをスカウトするために東京から派遣されてきた芸能マネージャーだった。今夜自分の車で東京に帰ると言っていた。自分はもうリアスには来ない。これからは俗世間に交わることなく、琥珀のことだけを考え、琥珀を愛し・・・」

春子・吉田・大吉「今なんて言った?」
勉さん「琥珀を愛し・・・」
春子・吉田・大吉「その前!」
勉さん「琥珀の事だけを考え・・・」
吉田「わざとやってんのか、このジジイ!」
勉さん「自分の車で東京へ帰る・・・」
春子・吉田・大吉「それだ!」
菅原さん「国道封鎖!放送かけろ!」


何度見ても大爆笑のシーンですが、実は塩見さんには内緒の演技プランがあったようです。

塩見さん「北三陸はほんわかした所なので、皆そういう人たち。だから宮藤さんから『水口は松田龍平』と聞いた時はびっくりしました。松田龍平?(他のキャラクターと雰囲気が違うので)ある種の緊張感が走るんです。キャスティングは正解でした。
でもこれはプロデューサーにも内緒だったけど、僕はユイちゃんと水口を逃してやりたかった。二人を東京に行かせてやりたかった。今見るとよくわからないけど、あれは時間稼ぎのつもりだったのかもしれないです」

塩見さん「こんなに喋った事なかったのに、このシーンでは僕が何か言う度に、皆が『じぇじぇじぇ!、じぇじぇじぇ!』と言う。移ってしまって『俗世間と交わることなく』を『じょくしぇけんと交わることなく』と言ってしまった。そしたらすかさず小泉さんが『今なんて言った?』と(ツッコミ入れてきた)。間違えたのでこれはもう使われないなと思ってるのに、皆芝居を止めないで続けていく。小泉さん、哲太、徹平、良々、吹越。すごいチーム。容赦無いメンバーでした」

ここでまた質問タイム。
男性2「無言の演技は難しいと思うのですが、いかがでしたか?」

塩見さん「映画などでも無言の演技は難しいと言われるけど、この役の場合は。リクションだけ。パフォーマンスしない。珍しい役でした。難しいと言われているけど、どれほどのものだろうと。試してみようと。画面に写っていなくても勉さんでいられるようにチャレンジでした。無言が難しいという概念には囚われていないです」

男性2「勉さんと似ている所はありますか?似てない所は?」

塩見さん「全然違います。でも、うちの人に言わせると似ていると言う。老人の皮を被った中学生なんです」
訓覇さん「子供なんですよね。勉さんは子供みたいなんです」
塩見さん「この所渋めの役が多かったけど、それは芝居していました。勉さんは芝居していない。でんでんの組合長に七味入れ続けるシーンも(コミカルなシーンをやることには)驚かなかったです」

勉さん名場面その4「勉さん増殖」

眠れないアキちゃんが水口の部屋で横になってウニを数えては叱られ、懲りずに勉さんを数え始めて、喫茶リアスに勉さんが増殖していくシュールなシーン。

(実はこの時のアキちゃん目を瞑って寝ている事に今日気づきました。いつも目開いて寝るわけじゃないんですね)

塩見さん「これは井上(ディレクター)さんの演出のおかげですね。井上さんに『塩見さんこっち、はい次はこっち、こっち』と言われたとおりに。最後はやることなくなって(カウンターの向こうに回って)バーテンやってました」

訓覇さん「このシーンが面白いのは、水口がいるから。勉さんを騙して離れて行った水口は、勉さんという言葉を聞きたくないはず。宮藤さんはここを水口との関係の中で書いている。打ち合わせでも宮藤さんは『水口にとって最悪だったと思う』と言っていました」

塩見さん「勉さんはいつも本線と関係ない所にいる。でも横線ではいろんな所にからんでいる。勉さんとしては筋が通っているんです」

訓覇さん「龍平くんはすごい人気になりましたね。水口は。なぜだったと思いますか?」
塩見さん「やっぱり松田さんの色気でしょう」

まさかのお色気発言。ああいうものをキャッチするのは、わたくしのようにツイッターに生息する水ゴケみたいない女子だけだと思っていましたが、なんと間近で共演している塩見さんも松田龍平のお色気を感じ取っていたとは。きっと会場にいらしたなかはらももた先生も心のなかで「勉さんよく言った!」とガッツポーズを取っておられたことでしょう。ってすみません、皆さんの事を水ゴケにしちゃってすみません、すみません。

訓覇さん「僕は松田君とも付き合い長いけど(訓覇さんと井上さんはNHKの名作土曜ドラマ「ハゲタカ」組)、もっと人気が広がればいいなと思っていて。じゃあ、誰かに聞いてみましょう」

女性3*2「騙されていたと分かって洞窟で水口を殴るシーンが、松田さんと最初に撮ったシーンだと聞いてびっくりしました。その後、(時間を巻き戻して)水口を信用するシーンを演じるのはどんな感じでしたか?」
訓覇さん「詳しいですね!」
塩見さん「松田君は独特な雰囲気なんですよ。殴るシーンも僕コケちゃって。井上ディレクターだったんですが、テストしない人なんです。(洞窟の中は)地面がズルズルで。コケちゃって松田君にも『しょうがないなあ』って顔されちゃって失敗だと思ったけど、使われていました」
塩見さん「松田君と話した時に『俺、琥珀磨くの嫌いじゃないんすよ』とか言うんです。役じゃないですよ。プライベートでですよ。『だんだん琥珀好きになってきました』って。それを聞いてホッとしました。こいつの事は守ってやらなきゃって思って。そう思ったのは、松田君だけです」

女性4「ツイッターで色々な人の感想を見られたおかげで、ますますあまちゃんと勉さんとミズタクが好きになりました。プロの漫画家さんやアマチュアの皆さんがあまちゃんの絵を描いた、ツイッターの『あま絵』はご覧になりましたか?」

塩見さん「・・・。本は、見ました。あまちゃんの。ここまで想像出来るのは、すごいなと。特にももたさんのなんかすごいです」

女性4「今日なかはら先生会場にいらしてるはずですよ!」

会場ざわわざわわ状態。ついに右端の方に座ってる女性にマイクが。立ち上がると茶髪ボブできゃしゃで、おしゃれな感じの方でした。「え、男じゃないの?」とつぶやく男性の声が聞こえてきてびっくり。いや、あんなバリバリの少女まんがを描く乙女な男性なら一度お会いしてみたいです!

ももたさん開口一番「すいません!ほんっとーにすいませんでした!つ、ついでに質問も…!どうして勉さんは…どうして…(その思い余りて言葉足らず)…好きです!!」いきなり告白。「…あんな松田龍平がやってきて、考古学とか言ってるのを信じてしまったんですか?」言えました。よかった。

塩見さん琥珀が好きだと言う人がいたのと、松田龍平と言うのがあって。『騙されてもいいや』って。もちろん嘘だというのはホンで知ってる。分かってる。やっぱり琥珀が好きだと言ってくれるのが嬉しかったんでしょうね」
勉さん、騙されてもいいやって、それはみすずさんとほぼ同じ心理状態なのでは・・・(こら)。

塩見さん「最終回でカットになったけど、恐竜の骨だと分かると、平泉成さんの役に『それは北三陸の三大名物になるぞ』と言われて『み、みじゅぐちゅくん、それ、僕が見つけた事に』って赤ちゃん言葉になってしまう所が…。あのセリフは、役者生命が終わると思いました。あ、ももたさん、描いたらダメよ!」
塩見さん「…甘えてるんでしょうね」
ももたさん「水口君に?」
塩見さん「松田君は年下だけど、兄貴みたいなんです。最初は水口が甘えてきて(騙したけど)勉さんが許したけど」
訓覇さん「描いて頂いていいんですよ。15分という制約があって(ドラマでは)描ききれないものもあったと」
(塩見さんに向かって)「多少怪しいと思っていたのでは?」
塩見さん「それはない。ももたさんの(漫画を)見てええっ?!と思った。水口を逃してやりたかったし」訓覇さん「色んな見方で書いて頂いていいんです」
この時残り15分切っていました。訓覇さん「あと3本あるんですが…」

勉さん名場面その5「悲しみのナポリタン」

グレてしまったユイちゃんが心配なれど、どう接していいのか分からない大吉、吉田君、菅原さん、勉さん。
春子がアバズレの食べ物ナポリタンを出してあげ、春子「今だよ」4人衆「?」春子「慰めるのよ!」 4人で列車ごっこのように連結してユイちゃんに近付くものの、大の男たちが勇気が出ない。先頭がどんどん入れ替わる。結局勉さんがユイちゃんの前に座り、粉チーズをかけてあげると、頑なだったユイちゃんの目からすっと涙が。


訓覇さん「アドリブが多いように思われれるんですが、実はほとんどは既に台本に書いてある。ここもそう。でも宮藤さんも好きなアドリブシーンは?と聞かれた時に挙げていたのが、このシーンでした」

塩見さん「(台本に反して)哲太が席を立った時、まずいなと上から押さえ込んだんだけど。(勉さんの台詞)『チーズかける?』がアドリブでした。それに『うん』と言った橋本さんもすごかった。まだグレている時だったのに。あの前にずっとゲームやってたでしょう。放送事故すれれくらいの撮り方でした。ずっと長回しで。この時小泉さんも性根座ってるなあと」

訓覇さん「3時くらいに終わればいい?」会場から拍手。延長決定。

訓覇さん「これは泣けますね」
塩見さん「小泉さん、貫禄だねえ。皆役名で呼んでいたけど、小泉さんだけは小泉さん。うちの女房がハルコだからっていうのもあるんですが」

訓覇さん「この日は現場にいなかったけど、小泉さんから『ちょっとすごいの撮れたよ』って聞いて」

塩見さん「ユイちゃんがテレビに出演するシーンで、琥珀を紹介してくれる所があって。僕がアドリブで『やったー!』とリアクションしたら、小泉さんは『いたの?』って!すごい人だなあ。『いたの?』ですよ」
訓覇さん「あの人は瞬発力に長けている。小泉さんは、作り込んできてというのではないですね」
塩見さん「(ナポリタンのシーンは大吉、吉田君、菅原さん、勉さんの)4人で『チーズ、チーズ』って言ってて。で僕が『かける?』って言って、『うん』って答えて、そして彼女が少し涙をこぼす。あとでびっくりですよ、大人4人が」
訓覇さん「老兵は去りゆくのみ…」
塩見さん「若い人に合わせるのはすてきです。それまでユイちゃんは誰にも心を開いていなかったのに」
訓覇さん「橋本さんだけ撮影が10時までで。高校生だから。NHKはちゃんと守るんです。自分だけいつも10時で帰らせてもらっていたから、その分芝居で返しますと言っていました」←10時でも十分遅いと思いますが、他の人たちの芝居は更に後にスケジュールされていたそうです。
塩見さん「あれだけの力量をテストなしでやるのは大変なこと。普通だと2-3年かかって撮る量」

勉さん名場面その6「恐竜の骨発見」

まだ記憶に新しい最終回のシーン。
訓覇さん「みじゅぐちゅ君がどの辺に入る予定でカットされたのかにも注目して見てみて下さい」←訓覇さん結構Sです

訓覇さん「『めちゃくちゃくやしい…』が塩見さんのラストカットになってしまいましたが」
塩見さん「北三陸の看板に三大名物があって、北鉄、北の海女、もう一つに勉さんは入りたかったんです。でうもこうやって見ると、ない方がよかったですね。あの台詞は、宮本信子さんにも『だいじょうぶなの、あなた?』って言われて」
訓覇さん「死ぬ前に思い出し笑いしそう。塩さんがあの台詞言う時の表情を想像して」
塩見さん「今までの(コミカルなシーン)は全然問題なくて、良かったんです。これが最終回でなければ」
訓覇さん「あれは宮藤さんの台本の真骨頂。なんで最終回で恐竜の話になるの?皆感動したくてしょうがないのに。これがあるところがあまちゃんの懐の深さですね」
塩見さん「ずっと琥珀を磨いている勉さん、天使だなと言われて終わりたかったのに」
訓覇さん「ふつう最終回15分しかないのに、皆アキちゃんとユイちゃんが見たいのに、なんで勉さんに5分使うの。しかも次の予告で10秒なくなるし。でもまあ、描きたかったのはちゃんと、トンネルの向こうの未来が描きたい回だったので」

塩見さん「元になった、北三陸琥珀を磨いているカミヤマさんは、一日5時間琥珀磨いてるのに、市会議員やっているんですよ」
訓覇さん「ごめんなさい、今言われた事分からなかった」←終盤になって訓覇さんのSがじわじわと滲み出してきました。

勉さん名場面その7「夏ばっぱの見送り」

最後は、塩見さん自身が選んだお気に入りシーン。

若き日のオーバーオール姿の勉さんが、春子を大漁旗で見送る夏さんを目撃するシーンから、春子が夏に愛されていた事をようやく知り、結果的に自分のせいで春子が夏の見送りを見られなかったため、自分を叱る大吉さんの名シーン「大吉のバカ!バカ!」、そして夏さんがアキちゃんを見送るシーンへ。


塩見さん「春子と大吉のシーンとてもいいですよね。この前に僕の勉さんが、夏さんが見送りに来ていたと春子さんに教えるシーンがあって。僕は大吉のシーンは出ないけど、前室で見ながら泣いていたんです」
訓覇さん「編集室で感動しました。大吉は、あれは、ありえない芝居。(大吉のバカ!は)ふつう独り言ですよね。それをすごい大きい声で、5分くらい続く」
塩見さん「井上監督にすごかったですねと言ったら『男の子はああいう形でやる』って」
訓覇さん杉本哲太さんはドラマを引っ張っていっていましたね」
塩見さん「哲太はこのドラマの機関車でした」
訓覇さん「台詞も多くて。杉本さんは取材の度に『勉さんの役がやりたかった』と言っていました。塩見さんは一週間90分の中で『今週は台詞が5つしかない』とか言ってましたよね。皆嫉妬してましたよ。『嬉しそうに言いやがって』って」

最後の質問コーナー

訓覇さん「残り10分になりました。質問はありませんか?塩見さんは多分もう一生人前には出てくれませんよ」

男性3「続編があるとしたら、どんな話にしたいですか?」

訓覇さん「考えたことないです。全力投球でここまでやってきました。誰も考えていなかったです。僕も含めて、多くの人に見てもらったからと言って、次もというチームではないので。それ以上のものがないとやっても。能年さんだけでしたね。クランクアップの挨拶で、衝撃でしたよ。ハア?何を言っているんだと。でもこの子でよかったなあと思いました。朝ドラの撮影は大変です。皆本当にボロボロになる。最後なんかもう何も喋れなくなってしまうこともあるのに、能年さんはホントに平気な顔でやってました」

女性5「このドラマは最終回までにヒロインが誰ともくっつかず、結婚せず、出産もせず、それどころか中年の3組の結婚式で。話を盛り上げるために誰かが死なず、朝ドラの定石を打ち崩すように見えたのですが、今までにない新しい朝ドラを開拓しようとされていたのですか?」

訓覇さん「新しいものをやろうというのはなかったです。ただ、宮藤さんとも話していて、見ていて気持ちのいいものをやろうと。この話は震災をまたいで続いていくことだけ決まっていたので、それ以降の事は考えていませんでした。どのタイミングで震災を描くか、たしか第23週で震災をちゃんと描く事に集中して、残りの週をどうするか話し合って、ああ、あの人達の結婚式をしようと」

訓覇さん「電車の開通、恐竜と、リアルとシンクロして描いていますが。恐竜も発見された方に『使わせて下さい』とお願いしました。あんまり今までと違うことがしたいというのはなかったですね」

女性6「勉さんが恋に落ちるとしたら、相手は誰ですか?あ、ミズタク以外でお願いします」←質問者の方、すばらしい読みです。

塩見さん「恋・・・恋?僕らはアイドルの追っかけみたいなもので・・・。あ、夏ばっぱが浮気をしてるんじゃないか?という話の時に、宮本さんが『勉さんはほんとは私にホレてたというのを入れてみたら?』と言う話になって。でも宮藤さんのあのホンにそれを入れる隙はなかったです」

塩見さん「水口と・・・美保純さんのみすずと勉さんがリアスで、みすずが酔って潮騒のメモリーカラオケを歌って・・・水口と・・みすずと勉と・・・・三角関係みたいな・・・」
訓覇さん「みすずなの?水口なの?」
塩見さん「みすずが歌うのを水口が見てて、それを僕が見守ってるという、三角関係的な・・・井上さんに、二人の横に座って見ている感じにしてと言われて」
訓覇さん「おれ見てない。最初の編集からそのシーンなかったですね」

結局、勉さんが恋に落ちる相手は塩見さん自身にも分からず。水口の名前を連呼して終わりました。

訓覇さん「さあ、最後の質問にしましょうか。ファイナル勉さんですね」

女性7「勉さんは結局ユイちゃん推しだったように思うのですが、ユイちゃんに対してはどんな感じだったのでしょうか?」

塩見さん「リアスでユイちゃんと二人きりのシーンが結構ありましたね。しんみりした。ユイちゃんを守ってあげたかったんだと思いますが、それがユイちゃんに届いてはいけない。届くとユイちゃんは気付いてしまうので。守ってあげたいのに、届いちゃいけない。届くと、彼女のお芝居の幅を狭めてしまうと思ったんです」

女性7「ユイちゃんは東京に行くと思いますか?」

塩見さん「想像したことないです。ああいう子は、地方にいそうな感じがするんです。でも、彼女を見守ってあげる人がいないんじゃないかな」

これでほんとうに最後でした。
塩見さん「今日が最終回だったけど、そこで終わりではなくて、この会を皆さんと出来て、ようやく終わり」という気持ちだったそうです。
「ほんとは元気になるものにしたかったけど・・・」と言いつつ、サントラの中からしんみりとした「家族」をかけながら、笑顔で、でもちょっと名残惜しそうに退場されました。

*1:わたしの記憶ではそんな話は全くしていませんでしたが

*2:冒頭で女性2人から発言がありましたが、全体的な感想を言われただけだったので割愛します

スタジオパークからこんにちは「ジャズピアニスト・大江千里」2013/09/05

録画しておいた大江千里のスタジオパーク見ました。

時々日本のポップスやロックの人、元アイドルなどが安易に「これからはジャズやります」と言っては結局全然出来なくて、いつの間にか無かった事にして元のポップスに戻ってるの見ませんか?正直大江千里にも全然期待していなかったんですが、驚くほど真剣に取り組んで勉強していたことが分かりました。

日本での成功を全部捨て去って47歳で渡米して音大に入学して勉強するのは、楽しくもあるけど、勇気のいる決断だったと思います。

大江千里といえば十年愛(もう許してやれよ)…じゃなくて、ミュージシャンというよりも、トップランナーでの司会が好きでした。いつも非常に的を射た発言と、自分と違う意見の人でも真っ向からは決して否定しない我慢強さ、知的許容量の広さは、この人なんでミュージシャンやってたのかな?と思ったほど。ただ、失礼ながら音楽家としては、ちょんちょんとコードを縦に押さえた程度のピアノ演奏で、単純なリズムの曲が大半だったように思います(大ヒット曲しか知らないので、アルバム収録曲は知りません、ごめんなさい)。なので、ただアメリカに渡っただけでは、大して上手くはならないだろうと思っていたのですが、流れた映像の中では、まだちょっとラウンジピアニストっぽいとはいえ、ちゃんとジャズらしく聞こえてきました。相当な努力をしたのだと思います。

今日の放送ではスタジオにグランドピアノを用意して、大江さんはずっとピアノを弾きながらのインタビュー。
「ポップスではタテにコードを押さえていたけど、ジャズではこう横に流れる感じなんです」と実演。
ポップスはタテノリだけど、ジャズは後ノリでリズムが違う事なども、基本から説明。コード進行もジャズはポップスよりずっと複雑ですが、渡米までは「どうすれジャズになるのか」が漠然としか分かっていなくて、ニューヨークで音大に入ってから手探りで学んで行ったそうです。

今回の取材に応えてくれた大学の恩師には「千里は特別な生徒だった。一番年上だったけど、一番能力は劣っていた」と言われてしまうほど。「学び続けなさい」というメッセージで締めくくり。

大江「ポップスでジャズっぽいのもやっていたので、自分はセンスあるんじゃないかとタカをくくっていたけど、全然ダメだった」と、苦笑いしながらも素直に認めていました。

日本のポップスのオシャレ系(小西ナントカとか)がやってるジャズっぽい演奏は「ジャズっぽい日本のポップスアレンジ」としか形容しようのない、ジャズとは全く似て異なるものですが、本人たちはジャズをやってるつもりでいるのが非常に残念でした。*1

大江さんは、自分はジャズを理解できていなかったと言っていましたが、これほど成功していた人がこんなに謙虚に自分の至らなさを認められる(しかももう50過ぎたおじさんが!)のは、なかなかありえない事だと思います。私は大江千里のファンではなかったけど、長年沢山のファンがいるのは、やはりこの人格が大きいのだろうなと実感。

入学してすぐのブルースのアンサンブルの授業では年下の同級生に「一人だけジャズじゃない音を出してる人がいるから、演奏が続けられない」と中止されてしまった事もあったとか。ちゃんと自分から手を上げて自首したそうですが、その後も19歳、20歳の同級生がピアノを弾き始めるとちょっと待って!と手元を携帯で写真に撮って、ジャズ特有のコードを覚えていったそうです。

英語も大学入学に必要なTOEFLスコアは持っていたものの、実生活ではまだ十分ではなかったようで、地下鉄でとなりの人の話している事をシャドウイングしたり、3時間のラジオ番組のDJを英語で行ったり、様々な努力をしていたそうです。まだ英語での作詞には苦労しているそうなので、歌入りのジャズアルバムはすぐには出来上がらないでしょうけど、やはり自分の言葉で歌いたいでしょうね。もちろんスタンダードの名曲は星の数ほどあるので、スタンダードを歌ってくれてもいいのですが。

音楽面でもずっと努力を続けていて、毎月7―8曲!のオジリナル曲を発表する定期ジャズライブを行っているそうなので、なんだか頭が下がります。

さて、今回久々日本に帰ってきたのは、夏の風物詩 東京Jazzへの出演のため。大学の先輩(といってもずっと年下)ベーシストと一緒に、本日9/7(土)18:00から出演。NHK FMで9/8(日)深夜24:20から放送予定だそうです。
http://www.tokyo-jazz.com/jp/program/program_hall.html#prg0907n

番組を見逃してしまった方たちへ:この番組で話していたのとほぼ同じ内容を語っているインタビューがあったのでどうぞ。
http://www.jiji.com/jc/v4?id=senri12070001

*1:これはアメリカンアイドルのジャズウィークでもいつも感じるフラストレーションです。ジャッジたちもジャズを全然分かっていないので、メンターのハリー・コニック・Jrがカントリーしか歌えないダサい候補者たちに短期間でジャズのエッセンスを必死で教えてあげているのに「厳しすぎる」と逆にハリーを責める始末

スタジオパークからこんにちは 大友良英さん出演回 2013/9/2

朝ドラ「あまちゃん」の音楽を担当する大友良英さんが出演されるので、久しぶりにスタジオパークを録画しました。音楽家がどのように曲を作っていくのかを聞くのはいつも楽しいので、少しだけ書き起こし。

いつもはゲストを真ん中に立ったままゲスト紹介と挨拶をしてから着席してトーク開始ですが、今日はいきなりビッグバンドの演奏で番組開始。もちろん曲はあまちゃんのオープニングテーマ。

簡単にゲスト紹介をした後、すぐに2曲続けてまた演奏。
三陸の海女さんたちのテーマソング「あまちゃんクレッツマー」。東欧風のガチャガチャとちょっとおっかない曲想。*1

続いて「灯台」。当初春子のテーマとして作曲したけれど、いまは登場人物が何か覚悟を決めた時に流れる曲だそうです。たしかに各エピソードの終盤でかかることが多いかも。

オープニングテーマについて

この日のあまちゃんは9/2月曜日、あの震災のエピソードの日。でも、あの明るいテーマ曲はちゃんと掛かりました。大友さん「震災を描く事は分かっていて作曲したし、演出の井上さんも含めて制作陣は、早くから何があってもずっとこのオープニング曲を使い続けると言っていた」そうです。

「何が起ころうと、変わらない日常はあると思う。色んな思いを込めたので、聞こえ方が違うと思う。震災の日に限らずですけど。アキちゃんが笑ってる時と泣いてる時では聞こえ方が違うと思う」

最初はあまちゃんクレッツマーの出だしがオープニングになる予定だったが、そんなに凝らなくていいかなとやめたそうです。クドカンの脚本が直球だったので。クドカンというとヒネった印象なので、もっとひねったホンかと思っていたが、直球で面白かった。この時点ではまだクドカンには会っていなかったとか。

オープニングの出だしは単純だが、サビは八十年代の歌謡曲で数限りなく使われたコード進行。松田聖子の「秘密の花園」に近いんじゃない?とギター弾き語りしてみる大友さん。ご自分でも笑顔で認めてますが、お世辞にも歌お上手とはいえません。水口さんが逃げ始めるレベル。

オープニングを作曲するにあたって、八十年代の曲を聞きまくって、誰が聞いても懐かしいと思うものを入れたそうです。色んな記憶を刺激するものを入れたかった。

潮騒のメモリーを作曲家本人が詳細解説

潮騒のメモリー」は、1986年に映画のテーマ曲として60万枚の大ヒットを記録したという設定。
アナウンサー「100万枚じゃないんですね」
100万枚まではいかない、ちょっと微妙な所がいいそうです。

クドカンが(大友さん風に言えば「あの帽子野郎が」)5分で書いたと豪語する歌詞を夕日を背景にしたボードに貼りだして、細かく質問をぶつけていきますが、どれも笑顔で楽しそうに答えてくれました。

作曲にあたっては、誰もが聞いた事のあるような雰囲気にしたかったそうです。
大友さん「昨日名古屋で一般の人とワークショップをしてたら、おじさんがよってきて、『この曲昔聞きましたよ。薬師丸ひろ子でヒットしたじゃないですか』『いや、これ最近おれが作ったんですよ』と言っても、信じてもらえない。最後まで新曲とは信じてもらえなかった」

マイナーにしろ、やっぱりメジャーに戻せと言われたりで、4バージョン作ったがまとまらず、前衛音楽家Sachiko Mさんとの合作に。ストリングアレンジは江藤直子さん。この3人だけでなく、演奏陣も含めてだんだんバンド形式になっていった舞台裏で、クレジットされていないけれどびっくりするようなコラボレーターがいるのです、この曲。

まずは「寄せては返す波のように」のあとの「激しく〜〜」の部分。
当初はなかったが、歌を担当した小泉今日子と、前述のアレンジャーの江藤直子がここに「激しく〜〜」って入ると八十年代っぽいよねと提案して入ったそうです。最後の「好きよ嫌いよ」という聖子ちゃん風のフレーズも後で追加(誰の発案かは不明)。

「来てよタクシー つかまえて」は元々は「来てよその火を飛び越えて」と同じメロディーだったが、何とかここを盛り上げられないかと話し合っていたところへ、NHK教育テレビの「スコラ」の収録で来ていた坂本龍一が立ち寄った。坂本龍一小泉今日子はこれが二十年ぶりの再会。
坂本がささっとアレンジして作ったメロディーは、実は大友さんはあんまりよくないなと思ったので、坂本龍一が帰ったら元に戻そうとしていたそうです。ところが小泉今日子が歌ったらさすが本物!で良かったので採用。

ここはアナウンサーが指摘するまで全く気付いていなかったのですが、「三途の川のマーメイド」のあとで「♪三途リバー♪」という女性コーラスが入っている。
八十年代らしいコーラスを試していた時に、コーラスの女性が「三途リバーって入れちゃっていいですか?」と発案。クドカンがあとで怒るかな?と思いながらも「いいよ!」とOKしてやってみた結果採用に。

Fukushima Festival

大友さんは横浜生まれで福島育ち。10代の頃を福島で過ごしたものの、その後福島のことは忘れてしまっていたそうです。ところが震災でこれは行かなければ!と思い、みんなが福島から避難してくるなか、自分は福島へ向かって行ったのだとか。以来、毎年訪れてフェスをしている。
今年はオープニング曲を盆踊りにアレンジして皆で踊った。あまちゃんビッグバンドも浴衣を着込んで総出で演奏。もちろんみんな手弁当。今年は坂本龍一もピアノ担当で普通に参加したそうな。

フェス自体はは遠藤ミチロウの発案。音楽フェスなんてけしからんと言う人たちが出てくるだろうから、ちゃんと議論をする機会になっていいと思って始めたのだとか。当時は事故の状況がなかなかちゃんと伝わって来なかったけれど、バンドが訪れるとなれば、状況も把握しなければいけないのでちゃんと分かるだろうと思ったそうです。

最後に「ドラマあと一ヶ月ですけど、震災が今日ありましたけど、大丈夫です。ぜひ見てください。あまちゃんは変わらずあまちゃんのままです。音楽も含めて」

*1:クレッツマーは、東欧系ユダヤ人、つまりイーディッシュの民族音楽。ドナドナに代表される物悲しいメロディーに、バイオリンやアコーディオン金管を入れて、ジプシー的なつんのめりそうなリズム感で演奏するが特徴

大竹まことのゴールデンラジオ 2012/12/21放送分(ハマカーンのTHE MANZAI優勝後初出演)

レギュラー出演:大竹まこと室井佑月太田英明アナウンサー、ハマカーン

ひさーしぶりの更新となりました。祝・ハマカーンTHE MANZAI優勝!というわけで、12/16にTHE MANZAI 2代目王者になったばかりのハマカーンが金曜レギュラーとして出演した際のオープニングトークを部分的に書き起こし。

大竹「苦節…12年?無冠の王者が、その無冠を返上しました」
浜谷・神田「はい!」「はい!」「ハマカーンです!」
室井「おめでとーー!!!」

一同拍手。

大竹「同じギャグは通用しないと思うけど、どん兵衛分けろよ。さっきあそこで言ったからインパクトないかもしれないけど」
神田「どん兵衛はね。…審査員の人が分けろって言うのは癒着じゃ?」
大竹「黙ってろ。ゴミみたいな奴は黙ってろ!…で、あと他に何もらったの?」
浜谷「分捕ろうとしてません?」
大竹「すごいなーって言ってんだよ。で、あと何当たったの?」
浜谷・神田「宝くじ6000枚」
しばらく宝くじ談義。6000枚の宝くじ代は180万円。
大竹「180万円分?カネでくれって言えないの?実を取った方がいいだろ?」
当たるか当たらないかで大竹が当たらねえよと言うが
神田「当たるよ、きっと:D」
浜谷「ええ?」
大竹「お前、そんな希望的観測なかったぞ。今まで」
神田「いやいや、でも、毎日楽しかったですよ。これからもずっと楽しんだろうなーって思ってやってました」
大竹「…こいつはいいよなー、ほんと。今回も、お前がリラックスしてたからだもんな?」
神田「諦めてたんす」
大竹「諦めてた?」
神田「決勝行けただけでラッキーと思ってたんです」
大竹「…ああ、余録だと思ってた?」
神田「ほんとにそうです。もうボーナス。」

まさかの余録発言。そしてここから、実は神ちゃんのワガママで、THE MANZAI本番10分前に1本目に出すネタを変更していた事が判明。

浜谷「そうなんですよ。(本番で)2本やるじゃないですか。一本目決めてたんですよ。予選で順位が良かったやつに。用意してたんです。これで行こうって。
スタッフの人からもう場所移動しますよって言われて、本番始まる10分前に、こいつ急におれの方向いて。
あれ、どうする?あれでいいのかな?』って急に言い出すの。
もうなんだよ、こいつ!直前で言うなよ!こっちは腹くくってんのに!
でも、すごい泣きそうな不安な顔してるから。
『どうしたいの?はっきり言いなよ』って言ったら、
『なんかさー、なんか好きな方やりたいなー、なんて』
『じゃあ、2本目の、お前がそっちの方が好きなんだろ。じゃもうそっちでやってやるよ!』って。それで、直前で変えた」
大竹「すごい!」
神田「一本しか出来ないと思ってて。勝てないと思ってたし。悔いを残さず思い出づくりしようと」
浜谷「おれ、こいつの思い出づくりに付き合わされたんすよ。あの大事な大会で!」
大竹「でもそれ、正解…だった。結局」

コンテストの本番10分前で、前々から決めてたネタ順を変えられたら、普通キレると思うんですが、キレながらもガシっと受け入れて、あの結果を生み出した浜谷さんカッコヨス。てゆか、きっと神田さんはずっと言いたかったけど言い出せなかったんすかね。…子供か!

大竹「あれ、神田は、やっぱし最初の方が、面白いと思ってたの?」
神田「いえ、そっちの方がウケないと思ってました」
大竹「なんで?」
神田「あまりにも自分たちが楽しみ過ぎてるので。皆さんにお出しするより、自分らで勝手に内輪で盛り上がってる感じで。ウケにくいだろうなと」
大竹「なんでこいつこんなクールなの?」
神田「自信がついてきました。変わりました」
浜谷「今日ちょっと遅刻してきましたよ。(優勝して)一発目なのに」
室井「でもさー、毎年毎年、他の組が優勝してるのにさ。神田くんがホント嬉しそうに拍手しておめでとうなんつっちゃったりしてさ。こいういう人たちが優勝したらどうなるのかなと思ったらさ…ベソベソ泣いてさ。ちょっとあたしはやられちゃったよ。泣いちゃったもん」
大竹「これでお姉ちゃんの呪縛から逃れられる…お姉ちゃんに小遣いやれよ。自分の会社のストッキングでも買いなよって」
神田「ええ、ストッキング代くらいしか、おれあげられないんすか?」

最近ハマカーンのネタが変わったきっかけ。

大竹「ここまで来るのにさ、二人でもう別れようってなかったの?正直に言えよ」
浜谷「正直こういうネタのスタイルに変える3,4年前に、もうええわと。このままやるなら。やめようかという話はありましたね」
大竹「相方はヤル気あるんだかないんだか分からないしな」
浜谷「それで、次の一年間は全く違うのやろうと」
神田「スベってもいいから」
浜谷「それが去年だったんです」
浜谷「それもダメで。もーう、ほんとにどうでもいい!ってなって。『神田さん、もうあなたには期待しません。普段通りやってください。わたしは思うように話します』と」

結局この「普段どおりに話す」が良かったんですよね。自然でダラダラしてて展開が読めなくて圧倒的に面白い本番のネタに昇華。

大竹「前にも言ったけど。下衆の極みを乱発してちゃダメだと。あれ言ってるうちは、まだダメだぞと」
浜谷「ほんと、今年の序盤の方、3月、4月に行っていただいて」
大竹「そのまあ、面白いけど、ギャグだから、そんな長いこと続かないわけじゃない。髭男爵だって、いつまでもルネサンス言ってないじゃない?そんなには続かないよと。
だから本番の中の二本目で下衆の極みが入った時、センテンスが短くて、なげやりなこと!ウケてもウケなくてもいいやと。本来ならここでウケようと思って言うギャグだけど」
浜谷「その発想とかもここ一二年の」

あの観客も(多分)待ってた、ここぞの「下衆の極み」をあえて流して言った所はホントかっこよかったです。「下衆」だけじゃなかった!

その後、優勝翌日に出演した「笑っていいとも」のネタ見せで見事にスベった話。神田が「レベルが低かった」と反省すると…

大竹「まあでも、レベルは高かったよね。今年の(THE MANZAIでのネタは)。ホントにクールに判断して、ハマカーンに入れられて良かったよ、おれも。行く前に面白く無いと絶対に入れないからなと念押してたからね」
浜谷「大竹さん・・・ほんとまあ、終わったから言いますけど、ちょっとやそっと面白いのじゃ、逆に入れてくれないだろうなと」
大竹「他と同じくらいだとね」

優勝して神ちゃん大泣きしてましたが、室井が大竹も泣いてたとイジると…

神田「ええー、大竹さんが泣いてたら超嬉しいです:D」
大竹「なんでお前がそんな事言う!!神田は、このコンビどうしようと思ってたの?
10年続いてる。お姉ちゃんに洋服買ってもらったりして。だけど、もらう給料としては、お前はまあ姉ちゃんがいるけど、いつまでももらってちゃダメだなって思ってるだろうし。ただ、二人の給料は3万だか4万だかって事もあっただろ。一ヶ月で」
神田「なんとかなるとしか。なんとかコマゴマしようと」←ダメさの萌芽。
大竹「別れようととかは?」
神田「いや、ないですね。一人でなんも出来ないですもん」←ダメさ炸裂一発目。
大竹「カフェとかやろうと思わなかったの?姉ちゃんのカネで?」
神田「ああー!でも、商売とか大変そうなんで。←ダメさダメ押し。
漫才やってて楽しいし。今までギリギリで食えたんで。これからもギリギリ食えるだろうなって」←ダメさ大爆発。
大竹「言っとくけどね、出た当時、おまえほんとにダメだったんだよ。すごいダメだったよね?」
浜谷「エラそうに突っ込んでましたよ」
神田「がんばってツッコミっていう人の、マネしていました」

神田さんがイイ気になると皆で一斉にイジりますが、少しでも引っ込むと、必ず大竹さんか浜谷さんがフォロー。今度は浜谷の番。なんだかんだ言って、皆でよってたかって甘やかしています。

浜谷「これ僕の勝手なあれなんすけど、神田歩んでる道の先に、なんとなきたろうさんがいるという気がします。きたろうさんの高みに近づいてるような」
大竹「そういう感じがちょっとあるかもしれないね」

きたろうさんが高みなのかは置いといて、この後、大竹さんのフリで神ちゃんの昔の彼女たちの話になり、ここから室井佑月が得意分野で面目躍如。

大竹「別れていった女たちは、どう思ってるんだ、神田。お前が、こんな優勝するなんて思ってなかっただろう」
神田「ぜんっぜん思ってない」
大竹「変なババつかんで捨てたと思ってた。こんな大きな大福に。いちご大福になるとは思ってなかっただろう」
神田「え、いちごってなんすか?高みに登って、いちご大福なんすか?!」
大竹「いいじゃないか、いちご大福おいしいだろ!」(大竹さんは甘党)
室井「別れた女は大喜びしてくれてるよ、ぜったい。だってヤじゃない。自分が過去にクズみたいな男と付き合ってたと思ったら」
大竹「ああ、そういうことか」
室井「知ってたって。私は知ってたって思いながら飲む酒はおいしいよ、きっと」
大竹「お前もハンパな経験してないな。いろんな経験してんな。いい酒が飲みたい?別れた男が堕ちていくのは見たくない?」
室井「そりゃあそうでしょ」
大竹「そうか、ざまあみやがれとか思わないんだ」
室井「え、だっていい風になったてらさ、脅して助けてもらえるかも。(一同爆笑)だけど、やじゃん。過去付き合ってた男が失敗したら」
大竹「今日の(投稿)テーマにできるね」
室井「外の人が別れた男の悪口言ってると、頭くるよね。なんかー、あたしの方がもっと面白く悪口言えるとか。私の方がもっと悪口上手」
大竹「悪口なのかよ」

その後、室井さんが浜谷さんの女の話を振ったのに、いつの間にか神田さんがいかにダメなゴミだったかという話に。

大竹「まあ人生ね。12年の谷があって。まあまあ、こんなこと言わなくたって誰だってわかってるけど。勝負はこっからになっちゃうんだよね。業界はキビシイよね」
浜谷「漫才は13年近くやってきましたけど」
大竹「でもなんか、ゴミだった神田がね」
浜谷「使えそうなゴミに
神田「なってきた?:D」←喜ぶなw
大竹「水曜日のゴミの日に出そうかちょっとと迷ってたけど」
浜谷「玄関先に置いてたけど。意外と資源ゴミで大事だったと」
大竹「レアメタルか何か入ってるかもしれない。とっといたら宝物になるかもしれないと。…そういう風に浜谷が思ったってのは大きいね。もうしばらくは二人でやってみようかと思ったって。(しみじみと)…良かったなあ、神田」

これだけゴミだと言われまくっても、マイペースな神田さんが本領発揮というか本性出しまくり。

神田「浜谷に『神田さんにはもう何も期待しないから』って言われた時、ああラクになった!って」
室井「喜んでたんだ?!」
神田「でも、もうちょっとしたら捨てられるかもとも思った」
大竹「玄関先まで行ってた?」
神田「『なにもしないでいいってお前が言ったんだろ』って切り返してやろうと思ってたんだよね。『何もしないでいいって言ったから何もしないんだよ!』って」
大竹「そう言いつつ、本番寸前でネタ変えようとか、自分が自信有る方のネタやりたいとか。やっぱし、手馴れてる分のネタを、どうでもいいって言いつつも、小さな炎は心の中に、やっぱし。これ燃やしてから辞めようっていうのがあったたんだよな?」
神田「燃やすっていうか、全然辞めようと思ってなかったです。思い出作りとは言ったけど。ずっとダラダラやろうと思ってた
大竹「そうか…もうやめろ、お前w」

冒頭のトークはここで終了。この後はゲストを交えてのトークに。

SNLジャパン 10月1日からCSで復活。新レギュラーは次長課長、友近など

さんま&今田コンビがCSで復活

 昨年までフジテレビ系で放送されたバラエティー番組「SATURDAY NIGHT LIVE JPN」が10月27日から、CSフジテレビNEXTで月1回のレギュラー番組として復活することが16日、分かった。吉本興業が運営する動画サイト「YNN」でも同時配信される。

 同番組は、米国で75年から続く人気番組「SATURDAY NIGHT LIVE」の日本版。昨年6月から半年間、月1回土曜夜に放送され、明石家さんま(57)今田耕司(46)がゲストとトークを繰り広げた。

 今回の復活にあたり、2人に加え、次長課長フットボールアワー、ロバート、友近がレギュラー出演する。CSフジNEXTと有料動画サイト「YNN」での放送、配信のほか、芸人と視聴者(ユーザー)が参加する双方向番組「サタデーナイトライブを芸人と一緒に見よう!(仮)」の生配信も決定。さんまは「いろんな若手芸人たち、お笑い仲間と一緒に、民放に負けない面白い番組をやります」と話している。

 [2012年9月17日6時14分]

http://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20120917-1018257.html

いつの間にか消えてなくなっていたらしいフジテレビの日本版サタデーナイトライブが、ケーブルテレビの番組として復活するそうです。

  • さんまちゃん&今田さんは残留
  • レギュラーは総入替え!
  • 新レギュラーは次長課長フットボールアワー、ロバート、友近
  • 初回放送日は10月1日
  • チャンネルはフジテレビNEO(スカパー、ケーブルなどで視聴可能。詳しくはこちら

どうやら、フジ&吉本はピカルでつかんだ若い視聴者を取り入れる事を ようやく諦めてくれたようです。SNLの魅力である「コント」が上手い芸人さんばかりを集めた素晴らしい布陣になりました。惜しむらくは次長課長友近と相性のいい中川家が出ていない事ですが、それやっちゃうと「ミニコント芸人」ですもんね。

月一なので時事性は求めるべくもありませんが、この豪華なメンツのコント番組がレギュラーで見られるというだけで、もういいという気もしてきました(いいのか)。尚、ゲストホスト制も保持するのかどうかは、今のところ分かっていません。

まだ放送時間が不明なのですが、いつでも録画できるように正座待機しております!

サタデーナイトライブJPN 2011/12/24

ETA: す、すみません、タイトル間違えました・・・2012年じゃなくてまだ2011年でしたorz
6月に始まった日本版SNLも今回でもう(まだ?)6回目。奇しくもクリスマスイヴの放送となりました。さんまちゃんと今田耕司さんは終始サンタ姿。ゲストは、今回初の試みで音楽ゲストとゲストホストを兼ねた歌手のAIちゃん。

クリスマスの思い出

最初のコーナーは明石家サンタと今田さんを進行役に、ピカルメンバーたちとAIちゃんが一人ずつ前に出て、それぞれ思い出の曲をかけながらクリスマスのエピソードを披露。
又吉は女の子に気味悪がられた話、西森さんは鉄工所のクリスマスが垣間見えるエピソードで安心の笑いを取り、綾部は熟女ネタの寿命も切れてきたのか若干スベリ気味。大林くんは全く自分のエピソードを披露しようとせず、飄々と仁鶴師匠のモノマネをやり通しました。ステキ。
渡辺直美ちゃんはSpeedのWhite Loveを選曲。さらっと「ビンボーで子供の頃クリスマスプレゼントをもらえなかったけど、一度だけ靴下に1000円札が入っていたことがあって、それでこの曲を買ったんです」といい話をしてくれました。 いつまでたっても話をさせてもらえない澤部君は安心のいじられクオリティ。
徳井さんは生放送でミニモニの曲をバックに「この曲やってた頃僕イ○ポで・・・」と言いかけた瞬間に、さんまちゃんと吉村に後ろに連行されていました。あれはリハーサルと違うこと言ったのかしら。

コカコーラボトルでクリスマスソングメドレー

この衣装で、ハンドベル、コーラのボトル、風船などを使って定番のクリスマスソングをメドレー・・・するつもりだったようですが、どうも練習が行き届かなかったのか、生放送に明石家サンタがテンパリすぎたのか、あんまり演奏のテイはなく。ドタバタしているうちに間延びしたまま終了。ちゃんと演奏したハライチの岩井くんのピアノの「戦場のメリー・クリスマス」と、大林くんのギターの「サンタクロースが街にやってくる」のみが、公共の電波で放送する価値あるモーメントでした。ちゃんとしたバンドも後ろにいるのに、AIちゃんもいるのに。モッタイナイ。演奏も出来た上でコントにしようよ、とういか、もう演奏出来ないなら潔くテープで流して、コントしようよ。

まとめ 「えすえぬえるじゃぱんは、えすえぬえるをあきらめた」

なんというかもうSNLをやることを完全に諦めたように見えました。そして生コント=ドリフの原点に帰ったようです(チャンネルが違いますが)。でも上記引用のビデオでお分かりの通り、ドリフの生コントや生音楽コントってもっと完成度が高くて面白いのです。・・・やっぱり毎週やって場数踏まないと無理なのでしょうか。たとえ毎週ピカルで共演していても、生と収録では緊張感が全く違うのでしょうか。それとも、超多忙なさんまちゃんや今田さんとスケジュール合わせようと思うと、思うほど練習が出来ないから完成度も低くなる、という悪循環なのでしょうか。もし後者がコントのレベルの低さの理由なら、さんまちゃんや今田さんの責任ではなく、時間が無いことがわかっている二人をこの番組にアサインした人の責任だと思うのですが、どうでしょう・・・。

おまけ:今年の本家SNLのクリスマスコン

気を取り直して、本家アメリカのサタデーナイトライブでは、今年はどんなクリスマスコントをしていたのでしょうか?先週の放送分から2つピックアップします。

アカデミー賞の司会で日本でも記憶に新しい?ジミー・ファロンのダサすぎて耳から離れないクリスマスソング

正に神をも畏れぬコント「ティム・ティーボウ選手を訪問するイエスさま」

NFLで今年大活躍をしたティム・ティーボウ選手は、極度に信心深い福音書キリスト教徒。かなりピュアな方のようで、親子で中絶反対のCMに出演してしまうほど。
アメリカのお笑いは昔から非常にリベラルなので、ティム・ティーボウ選手は正に格好のネタ。
今日も奇跡的な勝利をおさめたデンバーブロンコスのロッカールームで神に祈りを捧げるティーボウ選手の元を、なぜか突然イエスさまが訪問。感激して飛びついてくるティーボウに「落ーち着けや。神と精霊が入るスペース空けときー」と妙にドライに距離を置きます。「聖書だけじゃなくてちゃんとチームのプレイブック(作戦図)も読まなあかんで」と、信仰以外が目に入っていないティーボウ選手の盲信ぶりを茶化す、ちょっと大胆なコントでした。でもそれほどティーボウ選手をバカにしているわけでもなく、上手に一線を保っていたと思います*1

宗教ネタをアメリカでやってしまうと、すぐに噛み付いてくる人たちがいるのは当然でして、案の定パット・ロバートというテレビ伝道師さんに「思い上がりも甚だしい」「もしイスラム教徒の選手を題材に同じようなネタをしたら、爆破テロをされるぞ(←この発言の方がよっぽど失礼な気が・・・)」とボロクソに口撃されてしまったようです。でもこの怖いもの知らずの姿勢こそスカっとさわやかコカコーラ、じゃなかった、サタデーナイトライブではないでしょうか(←わざとらしいいいまつがい)。

まあ、ここまで思い切れるかどうかわかりませんが、日本版サタデーナイトライブにも、もっと切れ味鋭いコントに挑戦してほしいです。そのためには1)時事ネタをタイムリーに反映できるように毎週放送にすることと、2)テンポを良くするためにメンバーの数を整理することでしょうか(さんまちゃんとか、さんまちゃんとか、さんまちゃんとか切ったほうがいいと思う)。まだまだ(ちょっとは)期待してますよ・・・。

*1:リッキー・ジャヴェイスみたいにズタボロには斬りつけてないと思います。私はティーボウ選手に全く思い入れがないのでそう思うだけかもしれませんが・・・