NHK BS みんなのショパン 2010/10/31

ショパン生誕200周年を記念した、4時間生放送の特別番組。番組公式HP

普段クラシックを聴かない人にも届けたい!という気持ちの表れなのか、黒崎めぐみアナウンサーと、なんとチュートリアルが司会。

他に、清水ミチコ小曽根真中村福助假屋崎省吾など、クラシック畑以外のゲストをスタジオに招いて、歌舞伎舞踊や生け花とコラボレーションしたり。間に清水ミチコによるピアノ弾き語りのネタで、ショパンの生涯を解説してくれるのも贅沢。
小曽根さんによるショパンは、解説も演奏も1時間でも2時間でも聞いていたいほど目からウロコの新解釈。次は、小曽根さんをメインにしたクラシック再解釈の番組作ってくれませんか、NHKさんv

ショパンは革命やピアノ協奏曲などのアツいタイプの曲は結構好きなんですが、抒情系は「ピアノの発表会でみんなが頑張って弾く曲」というイメージというか(こら)、やたらに技術の正確さにこだわって弾く人が多い気がして、あまり好きじゃなかったり。でも、この番組で、技術に捉われないで、自由な解釈で弾くピアニストたちの演奏を聴いて、かなり好きになってしまいました。若い方でしたが、山本貴志さんという方の演奏、ダイナミックで伝わってくるものがあって聞き入ってしまいました。抒情系の曲は、弾く人によって柔らかさが伝わってきたり、ただ「難しい曲を頑張って弾いてる」ようにしか聞こえなかったり。良くわからないのですが、音の響きも違って聞こえてくるので、かなり人柄が出るタイプの作曲家なのかな。

一番感動したのは60年ぶりに再会した音楽の先生(当時は22歳の、戦時中に非国民と呼ばれてもショパンを愛して練習していた)が、かつての教え子に弾いてくれた「幻想即興曲」。何故か聴いていて涙が出そうに。技術的にはきっとスタジオで弾いていたピアニストたちの方が上なのかもしれませんが、80歳を超えても現役で(とてもそんなお歳には見えない、きれいな方)、練習を絶やさず、何よりもショパンの曲を愛し、そして誰にも非国民なんて呼ばれずにショパンを弾ける今に感謝していらっしゃるのが伝わってきました。

司会のチュートリアルは、なんとピアノに触ったこともなかった徳井さんに、生放送で「別れの曲」を弾かせるという無茶ぶり企画のおかげで、生放送の司会など出来る精神状態じゃなかったようです。徳井さん、もうほとんどしゃべらないw 目の焦点が定まらないくらいに緊張してしまっているので、進行もゲストへのコメントのフリやツッコミも、福ちゃんがほぼ一人で進めていました。あんなに生き生きとしていて、しかもしっかりしている福ちゃん初めて見ましたよv

福ちゃんの假屋崎さんのあしらいっぷりも面白かったです。ショパンを愛しすぎてる假屋崎さんは、ショパンコンクールポーランドで予選から決勝まですべて観戦したほど。すごくいい話もいっぱいしてくれたのですが、一度話し始めると清水ミチコが苦笑しちゃうくらいのマシンガントーク。他の人にフッても、何故か假屋崎さんが答えてるw これには福ちゃんも「假屋崎さんだけ、アメトーークの『ショパン好き芸人』みたい」w そして、楽屋でもちょっとした空き時間も無駄にせず、一生懸命ピアノの練習をしている徳井には「ちょっと狭いから向こう行ってー」ひどw いつもは見えない、ちょっとSな福ちゃんが垣間見えた日でした。

あ、1ヶ月半に渡って仲道郁代さん(美人!超優しい!その上演奏が素晴らしい!)に教えてもらって必死で練習した徳井さんの「別れの曲」は・・・まさかNHKもここまでダメな子だとは想像していなかっただろうwという、ボロボロの出来でしたが、実はやさしい人なんだろうな、というのが伝わってくる音でしたよv スタジオに集まっているショパン弾きのピアニストたちが、めちゃくちゃ優しくコメントしてくれているのも印象的でした。それにしても、楽譜が読めないので耳で覚えて、一ヶ月半で右手と左手とペダルまで使えるようになったってすごいですよね。
 

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