バラコレ「注文の多い演芸場」2010/12/30

テレビ朝日のバラエティ番組のパイロット集「バラコレ」。今回の企画集のおいらにとっての真打来ました!「注文の多い演芸場」です。

六角精児さんが支配人を務める怪しい洋館。実はネタ番組が次々と打ち切られる中「ネタ難民」となった芸人さんたちが、無理難題のお題を呑んでまでも出演する「注文の多い演芸場」。モノ二つ、ワザ一つ、オチ(!)の4つを与えられ、そのすべてを入れたネタを作らなければいけない、という三題噺以上に難しいかもしれないハードルの高さ。準備時間は2時間。
初回に登場したのは、サンドウィッチマン、ロッチ、モンスターエンジン東京03というキングオブコント!な超豪華メンツでした。なにげにこういう「ネタの面白さ」を要求される番組に、ロッチが初回ゲストとして呼んでもらえる、という事実がファンとして嬉しい限りですv

サンドウィッチマン

おお、ちゃんとお客さん入ってるんだ。結構広い劇場です。
YAZAWAっぽいロケンローラーのタダオのお家に新聞勧誘が来たら、という設定。見た事はないけど、多分元々あるネタですよね(2007年発売のDVDに新聞勧誘というタイトルあり)。1200円の缶コーヒーに「ウェスティンホテルか!」のツッコミはさすが。でも、さすがのM-1王者も、お題の活用には四苦八苦してる感じがしました。真面目にやりすぎちゃったのかな。全体的にちょっこしデコボコした出来で、らくごのごなら、ざこば師匠レベルかも。

ロッチ

  • モノ:韓流スターの衣装
  • モノ:ブブセラ
  • ワザ:他人のギャグを全力でやる
  • オチ:後のアメリカ大統領オバマであった

ロッチラリズム収録の「ユーモアスクール」をアレンジ。引き戸を開け閉めする「ガラガラガラ ラガラガラガ」の一言で観客の心を鷲掴みにするコカド先生(45)と、いつも以上に所在なげな生徒役の中岡さん。ちょっとSなコカドにイジリ倒される中岡さんのキャラは凄く光るので、このネタ好きです。アリ物のネタと感じさせないほど、キレイにお題を網羅。ただ、オチをコカド先生が地の口調で「後のアメリカ大統領オバマなんですよー」と言ってしまっていましたが、番組の意図としてはナレーション口調で「後のアメリカ大統領オバマであった」と被せてほしかったんじゃないかしら。

モンスターエンジン

  • モノ:警官の衣装
  • モノ:オペ用の手袋
  • ワザ:KARAのヒップダンス
  • オチ:ドドスコスコスコスコ ラブ注入

お題を見て、大林くんが思わず「一貫性がない!!」と叫んでましたが・・・蓋を開けてみれば、素晴らしい出来でした。どうやら有名なネタらしいのですが私は未見だった「ゴッドハンド洋一」をアレンジ。西森洋一少年(高校生)は、おじいちゃんの蔵から見つけたブレスレットをはめた時から・・・左手が怪獣の手に!なんか何でも切れる刃のようなものまで付いてます。しかも刃に触ると感電して倒れてしまうw お題自体よりもはるかにぶっ飛んだ設定を使う事で、お題をキレイに消化していて、実にスッキリ。どう考えてもおさまりの悪い最後のオチも、洋一少年が元々わざとらしい口調のせいか、違和感なくハマってしまいました。それにしても、感電で失神しながら倒れる動作がKARAのヒップダンスになるとか、よく考えたなあ。

東京03

  • モノ:おばあちゃん
  • モノ:札束
  • ワザ:謎かけ
  • オチ:それは仲間です(ハンカチ王子

飯塚「おばあちゃんって!!w 小道具超えちゃってるじゃん!」 
豊本「生きたおばあちゃんなの?」死んだおばあちゃんじゃ更に扱いに困ります。というわけで、「小道具」としてポシェットを下げた可愛いおばあちゃんと一緒にコントした東京03

サンドとロッチを見ていて、どんなに上手いコント師でも、オチまで先に決めるってのは、やっぱり辛いものがあるなあ、レギュラー化するならオチを決めるのはやめた方がいいんじゃ・・・とまで思っていたのですが、03で吹っ飛びました。あまりにもサラリとクリアしていたので、イロモネアのサイレントの時を思い出してしまいました*1

ベースにしたのは、みんな大好き「交通事故のお見舞い」。問題のおばあちゃんは「僕は仕送りはもらってません。実家住まいだから :D」の豊本さんが「おばあちゃん子」だったという設定で、無理なく絡んでいました。おばあちゃんの素人っぽい演技が微笑ましくて可愛いですv 札束はおばあちゃんからのお小遣い、歌の謝罪を否定されて、謎かけ謝罪に入る流れも自然。おばあちゃんを活用したオチもぴったり。

かくあき「整いました!謝罪とかけて、禁煙と解きます。その心は!もう、すいません」
づかっち「『もう』いらないだろ!!」 すべてのタイミングが完璧。


づかっち「いいから謝れ!ちゃんと謝れ!」
かくあき「分かりました。謝罪もままならない俺に今必要なものは・・・それは仲間です!」
づかっち「違うだろ!」 円陣を組む かくあき、とーちゃん、おばあちゃんの図で幕!

元々こういうオチだったんじゃないかと思えるほどすべてのお題を自然に消化。見事に鶴瓶師匠レベル!でした。レギュラー化したら、東京03には毎週出てほしいなあ。安心なので。

まとめ

面白かった!です。番組設定で言われていた通り「ネタ難民」時代になってしまったので、是非是非レギュラー化してほしい!です。お題を消化させるので、一見 芸人さんに負担が大きそうに見えますが、この番組なら大昔のネタでも「新ネタ」として見せる事が出来るので、案外芸人さんにとって負担の少ないネタ番組かもしれないです。衣装や小道具(洋一の腕、豊本のギター)を持参しているので、事前に「このネタをアレンジしてください」くらいの情報は入っていたのかな、という気もします。とはいえ、お題の無茶ぶりへの対応能力にそれなりに差があったので、お題は当日まで教えなかったのだと思います(←テレビをあまり信用していない子)。

次回があるなら、バナナマンスリムクラブ、ザ・ギース、キングオブコメディラバーガールあたり希望!です。あと、どうやってネタをまとめていったのかが気になるので、公式サイトでネタ作り風景を動画or記事で伝えてくれるとか、ネタ作り風景はDVD特典にするとか(←確実にDVD売れそうです)だと嬉しいなあ。まあ、今回はネタはアリ物なのでドリームマッチほど苦労はしてないかもしれませんが。いつかアリ物のネタ禁止で、イチからネタを作るスペシャル大会みたいなのもやってほしいです。毎週だと皆イヤがって出てくれなさそうですが〜。

いかにもテレビ朝日らしい人選で、支配人が六角精児さんなのが良かったvです。ただ、芸人さんたちと一切関わりがないのがちょい残念。終了後に支配人さんと「ここで苦労した」みたいなトークをしてくれても面白いかなーと思ったのですが、それじゃ「らくごのご」まんまになっちゃうからダメかしら。ともあれ、レギュラー化で再会できる日を楽しみにしていますv

*1:イロモネア初登場の東京03は、他の芸人さん達がつまづきやすいサイレントを2ndステージで選択。司会のウンナンにまで心配されたけど、演技力のある03は、簡単にクリアしてしまった