龍馬伝第三回、咲くやこの花第三回

龍馬伝「江戸の鬼小町」

貫地谷しほりちゃん登場!ほんわかした役やボケ役が多い印象ですが、頑なで凛とした表情のお佐那さま役。幼い時から父親に剣術を仕込まれた「作品」であり、剣術以外の生き方を知らない「剣術マシン」のような女の子で、今まで見た事がない表情でした。千葉道場の門弟の誰よりも強かったのに、龍馬に柔道技で倒されて道場の床に伸び「(勝てないのは)私が女だからですか?」と静かに泣くシーンは美しかったです。龍馬に出会った事で、今まで経験していなかった普通の女の子の部分が一気に目覚めてしまったよう。それにしても、うっかり覗き見してしまう助手の栗林さん・・・じゃなかった、千葉重太郎渡辺いっけい)がいちいち笑えました。乙女さんにふっかけられて社会見学に行ったキャバクラ飯屋で、お目付け役なのにお姉ちゃん相手に大はしゃぎの溝渕(ピエール瀧)の迷いのない腹の出っぷりは最高。弥太郎は見た目の「パパゲーノ」ぶりと内面のサリエリぶりに拍車がかかっていました。龍馬が大嫌いなのにその才能の一番の理解者というのは上手い設定。

咲くやこの花「嘆きつつ」

前回で「君がため」=由良のために、かるた大会出場を決めたこいちゃん。貧乏浪人でも大願を持った由良に初恋してしまいました。由良の本当の目的が仇討だった事が分かり、「嘘をつかれていた」と恋もかるた大会へのモチベーションも失ってしまう。第一回からは信じられないほど、喜怒哀楽さまざまな表情を見せる子になってきました。母親そめ、はな先生、由良という、こいちゃんを大切に思っている人たちが共通して「かるたをしている時のこいは、いきいきとしている」と気付いてくれました。そめの場合、娘がいきいきしているのは嬉しいのに、遠くへ行ってしまうような、大人になってしまうような気がしているのか、どこか寂しげなのも印象的。由良は家賃支払いのために名門の武士である証の家系図を売ってしまい「本当に浪人になって」しまいますが、「かるたをしている時のお前の目は凛としていて美しい」と、ただの町娘のこいちゃんの中に、侍の理想像を見つけ、こいもかるたをしている時の充実感が「忘れられないのです」と悟る。こいちゃんが、ようやく誰のためでもなく、自分が一番いきいきとして生きるためにかるたに挑むことを決め、それが結果として思い人である由良が武士としてのアイデンティティを保つための支えにもなるという流れが見事でした。なのに来週の予告では由良に「お前と一生を送るつもりはない」とすげなく捨てられてしまうこいちゃん。相変わらず展開がスピーディーで続きが読めません。来週も楽しみ!