東京03 ベストツアー名古屋 2009/07/13(千秋楽)

あまりに面白すぎて「ちゃんと書かなきゃ」と思いつつ寝かしていたら、寝かせすぎて食べ頃を過ぎてしまった(こら)ので、めちゃくちゃ今更感満載ですが、KOC決勝進出おめでとう!の意味もこめて、ベストツアー最終日のレポです。


とはいっても、あの面白さをどうやって伝えれば・・・と思っていたら、自分で書くよりもずっとずっと的確に表現している文章に出会えたので、しょっぱなから人に頼ってしまいます。

東京03のネタは
1身近で
2無理がなく
3展開が非凡
である。

そうそうそう、そうなんだ!!もうこのリンク先の記事全部一言一句にスター付けてしまいたいくらいに同意。はなこばさんがはてなユーザーさんじゃないのが悔やまれます。


演目は以下の通り。
1.カクテル
  (幕間映像 オープニング)
2.陰口
  (幕間映像 歌い屋 角ちゃん)
3.コンパの誘い
  (幕間映像 豊本が教える、プロレス技の日常生活への応用)
4.ハムレット
  (幕間映像 劇団ハムレット公演後のアンケート)
5.角田の紹介
  (幕間映像 飯塚悟志 35歳、初めての女装)
6.黒魔術
  (幕間映像 物販の宣伝)
7.修学旅行
  (エンディングテーマ)
  舞台挨拶


いきなり開幕。登場しても誰も「はんにゃ出てきた、キャー!」みたいな拍手しないんですね。静かに最初のセリフが始まるのを待ちます。笑うところは笑い、あとは芝居の邪魔にならないように、しっかり聞き入って。最後の舞台挨拶で飯塚さんが連呼してましたが、ホント「いいお客さん」でした。

ハムレット

カクテル、陰口、コンパの誘いは、ほぼ台本通りでした。
ハムレットからです。お三方、壊れ始めました
終了後の舞台挨拶で飯塚さんが「もう原形を留めていない。初めて見た人絶対訳分かんねえよ」と評された、角ちゃんのアドリブ大暴走。わたくし「初めて見た人」だったんですが、多分この日見た中で1,2を争うくらい好きです。大丈夫です、飯塚さん!(すごく遠くから送ってみるフィードバック)


トンがった演出家の角田先生に演技指導してもらう若手俳優 飯塚君と豊本君でしたが、この手のコントにありがちな棒読みじゃなくて、ガチで演技上手かったのが却って好印象。そのうちホントのハムレットに出ないかな。


03のコントの中で、飯塚さんと豊本がニコイチに戻ってアルファルファになっちゃう時が好きなんですが、ハムレットが今回一番の「アルファルファなモーメント」。暴走する角ちゃんを横目に見ながら、舞台の隅っこでふたりがコソコソと忍び笑いしてる姿は、吉田戦車のスズメみたいでした(=見ようによっては可愛く見えます)


<ネタバレ。あるいは、きょうのアルファルファ



演出家(角田)の震える手が完全に度を越して、台本を放り投げ始める。
飯塚「あれ、なんて競技?
豊本「なにかなー」
飯塚「もう客も俺たちも訳わかんねえよ」←一瞬素に戻って苦笑い


この後、手が震えすぎて台本が「イキのいいマグロ」のように演出家の身体の上で飛び跳ねたり、角ちゃん超フリーダム。そんな角ちゃんを散々放牧した後、更にボケさせようとする豊本が結構Sでしたw
豊本「よく見えなかったんで、もう一度おねがいできますか」
飯塚「もう、いいだろ!」
</ネタバレ終わり>

角田の紹介

ナマ豊美ちゃん、カワユス!
3人の中で一番図体の大きな豊本が、ズラすら被らず、前髪パッチン留めしてるだけなのに、妙に生々しく女に見えてしまう不思議。図らずも篠井英介さんメソッド実践編って感じです。*1


黒魔術

「戻りません」「戻せよ!!」
豊本大活躍のネタで大好きです。
豊本の素なのか演技なのか境界線上っぽい不思議ちゃんぶりが自然すぎ。さすがポケモンを愛し*2、「自分はコドモだから結婚は一生しない」*3とのたまうだけあります。でもって、角ちゃんの不良は説教し始めると中間管理職っぽいw 飯塚「おまえ、なんか大人みたーい」

修学旅行

面白かったー!が、長ーーーーーい!!
途中から明らかに「これ長い?」と思い始めましたが、最後の舞台挨拶で真相判明。


飯塚「俺楽しくなってきちゃってさ、少しでもこの舞台の上にいたくって、一回言えばいい所3回くらい言っちゃったよv 」コラ!!飯塚ともあろうものがw 
でもこのコントでの飯塚さんのハジケっぷりはホントに可愛かった! たしかオークラ作のネタ。飯塚さんがいつもと違って、能天気でツッコまないキャラなのが新鮮でした。


角ちゃんもかなりテンションが上がっていたようで、飯塚さんの耳元で大声でボケてました。飯塚「何をしに来たんだ、あいつは!人の鼓膜を破りにきたのか!」 どこからどこまでアドリブなのか分からぬカオスな感じ。でも最後は旅館の窓が見える気がするほど上手い角ちゃんのマイムできっちりオチ。

舞台挨拶

豊本のご両親が観覧に来ていた話はおしゃ4レポで書いてしまったので割愛しますが、「舞台と客席最後部とで、観客挟んでマシンガントーク」中、豊本が「頼むからちょっと黙っててー。俺もう家出るよー」と言ってるのに笑ってしまいました。もうとっくに出てるでしょーがw


挨拶では3人ともツアーをやり終えた充実感でニッコニコでしたが、特に飯塚さんがご機嫌。
「俺、終わったら絶対泣くと思ってたんだけど、涙ぜんっぜん出てこねーの!(笑顔全開)」「でも、打ち上げ行ったら絶対泣くと思う!」・・・ていうか今泣け!とか思ってすみませんw
後で角ちゃんのブログチェックしたけれど、ツアー中の打ち上げはアップされてるのに、千秋楽の打ち上げは記事なし。飯塚さんがホントに泣いちゃってアップしたら怒られそうだった・・・ではなく、みんな酔っ払いすぎて写真撮るの忘れてたに3000トヨミ。

物販

終演直後、全く休憩も取らずに物販ブースに降りてきてグッズの手売りをしてくれたお三方。
いやー、3人とも舞台上ではかっこよかった!のですが、間近で見ると思わず「疲れすぎてて、かわいそう・・・(特に飯塚さん)」と、ありがたみよりも、もののあはれを感じてしまいました。
とはいえ、疲労感でほうれい線クッキリながらも、3人ともとってもにこやか。間違えて逆流して並んじゃったアホなわたくしたちにも、嫌な顔一つせずにサインして下さいました。握手もしちゃったんですが、生来の小心者っぷりを発揮してめっさ緊張してしまい、頼む前から手を出してくれた角ちゃんとだけ。ア、アルファルファ・・・(角ちゃん、ごめんw)


運良く先頭の方に入れてしまったのですが、終わってみたら後ろに長蛇の列。
舞台挨拶で「早く終わって飲み会いきたーい!」と叫んでいた飯塚さん、何時頃打ち上げに行けたのかな・・・。
尚、手売りは今回の全国ツアーのみの特別で、普段のライブではしていないそうです。


まとめ

どのコントも本当によく練れた脚本で、意外性のある展開なのに設定上の穴がないし、3人とも演技が抜群に上手いから、観客は我に返るヒマもなく安心して笑いまくれました。久しぶりに「笑い疲れ」しました。いい疲労感。


意外と「取り調べ室」みたいなコントの定番の設定はあまり使わないので、しばらく見てないと3人の関係性が分からない。アメトークのミニコント芸人状態というか「あ、今この設定なんだ」と把握できるまで、じっくり見なきゃいけないから、結構疲れます。でもそれだけに、掴めてくるとひたすら笑いっぱなし。・・・って、4分にまとめるKOCでは致命的だなあ、東京03


演技といえば、終わってみて一番印象に残ったのは、一番台詞の少ない豊本の存在感でした。
飯塚さんはツッコミ、角ちゃんは大ボケという役割上、割と似たようなキャラクターになりがちだけど(飯塚さんは明るいけど気が短い人、角ちゃんは被害妄想がちな小心者)、「それ以外」の役を一手に引き受けてる豊本は、サラリーマン(カクテル)、超マイペースないじめられっ子(黒魔術)、恋する女子(角田の紹介)、イマドキの何事もスマートにこなす先生(修学旅行)など、すべてのコントで全く違う人格を見事に演じ分けてました。台詞は一番少ないし、ほとんど演技をしているように見えないのに、不思議なお人です。


残念ながらベストツアーのDVDは出ないそうですが、幕間映像は最新DVD「機微」に収録。11月6日発売予定。
どれも面白かったのですが、数学の参考書を例題まで懇切丁寧に熱唱した「歌い屋 角ちゃん」、飯塚さんの可憐な?インディアン娘姿が拝める「女装」、「ハムレット公演後のアンケート」が涙が出るほど笑えました。


名古屋ではお笑いライブはなかなか開催されないので*4、これを機に年一回でいいので、定期的に全国ツアーしてくれるといいな。ロッチとか他の芸人さんもやってほしいです、ツアー。ライセンスは全国ツアーしても即完売だから意味ないし。コンビ揃って「奇跡の男前」って迷惑なんじゃ、ボケー*5。芸人は「メンバー平均したら、そこそこブサイク」に限ります(なんのこっちゃ)。ああいや、とにかく名古屋でももっとライブが見たいぜ!という血の叫びでございました。ではでは。

*1:「女装している男性(つまりオカマ)の役をやる時はナヨナヨしますが、女性の役をやる時は何もしません、普通にしています」出典:スタジオパークの篠井さんゲスト回

*2:DSもポケモン

*3:Circusという雑誌の9月号ご参照。東京03が何十ページも載ってます

*4:あっても遊園地の営業とか、ローカルテレビ局のイベントとか・・・

*5:いや、無限大のトークとかめっちゃ面白いけど!生で見たい気持ちめっちゃ分かるけど!ってちょっとイノモトさんっぽいツッコミ入れたつもりになってみたけど!