タイムスクープハンター 2009/05/05放送分

第6回「リストラ武士奮戦記」
ナビゲーター:要潤
公式ブログ http://www.nhk.or.jp/eyes-blog/900


この番組の宣伝で要潤が登場したスタジオパークを偶然見たのに、肝心の放送は6回目になって気が付きました。残念。連休中の再放送すら見逃してしまった。でもNHKなので再放送してくれると思います。英語でしゃべらナイトを(松本人志的には毎日)再放送しまくったように。それでこそNHK


笑神降臨の次長課長「アマフェッショナル」を更に本気でやってしまったような疑似ドキュメンタリー。ってThe Officeですね。
そのままだと「やけに地味な時代劇にドキュメンタリー風の真面目なナレーション付き」で視聴者が迷子になるので「これはモックですよ」と分かりやすくするための装置として、未来からタイムトラベルしてきたジャーナリストに扮して要潤がいるようです。キャナミンさんの持っている胡散臭さと妙なバカ真面目さは番組の特徴そのままかも。


内容は明治初期、徳川幕府消滅によりいわばリストラされた下級武士が、意地もプライドも捨てて菓子屋に弟子入りし、慣れない商売に戸惑いながらも自分の店を開店するまでの道のり。


オーブンのなかった時代、鉄鍋の蓋に炭を乗せてダッチオーブンのようにしてカステラを焼き、泡立て器の代わりにすり鉢とすりこぎ。タイマーの代わりに線香。どこまで正確でどこからがNHKの想像なのか分かりませんが、なるほどと思わせる細部。「お江戸でござる」が懐かしいなあ。


ただ主人公がキレて店を飛び出した後、カステラを始めて口にするまでの数時間、深夜とはいえ行燈つけっぱなしなのは、リアリズム欠ける気が。食うにも困る貧乏侍に油高くなかったのかしら。まあ、演出側も分かっちゃいるけど、真っ暗じゃ何も見えないから仕方ないか。


大熱演の下級武士役とカステイラ屋店主役の俳優さん。
でも展開は「愛の貧乏脱出大作戦」などで何度も見てきた「脱サラさんが頑固ラーメン店主に弟子入り、独立開業はたして出来るのか?」をそのままなぞっているというシュールさ。
初めて口にしたカステラは美味かった、と告げるシーンは感動ものでしたが、「俺の命です」と刀を預けるシーンまで来るともう笑いがこらえられない。親近感を抱かせつつもちょっとだけ皮肉なおかしみがあって、次回も絶対見たくなる出来。


次回は5/12放送。テーマは「闘茶」。